ご挨拶
京都大学生活協同組合は1950年に設立発起人20名、組合員数2313名の協同組合として京都大学の中に誕生しました。当時は「食べること」「集うこと」「学ぶ道具」がメインで学内の食堂の運営や喫茶の運営、東京までノートの買付に行くなどの活動から始まりました。テトラパックの牛乳の販売は総代会で価格を決めるなど、組合員とともに、組合員自らの生活や勉学環境の向上を目指して活動を続けてきました。以降75年にわたって京都大学とともに歩んできました。
設立当初から事業は多岐にわたり、文房具や書籍、食堂や喫茶にとどまらず、時計修理や印刷の請負も行っていました。面白いところでは、工学部生のアルバイトを雇ってラジオ修理をしていたり、音楽会や演劇公演会なども主催していたようです。
時を経て、タイプライター、衣料品や履物、家電製品、家具や寝具等、組合員から要望される商品の取り扱い、1980年代はオーディオ製品やテニスラケットやスキー板、ジーンズ等も扱っています。ITの先駆けのポケコンやワープロ、パソコンなどを大々的に扱うようになります。大卒と言えば車の免許が当たり前になるようになると、教習所の斡旋、旅行の仲介など時代と組合員の要求実現のために事業が変遷してきています。
現在の京大生協は多いときに約1万食/日の食堂利用者と8千人/日の購買利用者があり、京都大学の教職員と学生の食生活と勉学研究を支えています。
2020年4月以降のコロナ禍の中で、事業存立が危ぶまれた状況でしたが、教職員の皆様方に支えられ、数多くの励ましの声を頂きました。京大生協も研究に来られている教職員、院生、学生の皆さんの食を支えるべく、営業を続けてきたのも、協同組合であるからだと思っています。
2024年に設立75周年を迎えることになりますが、時代が変わり必要とされる商品やサービスの内容は変わることがあったとしても、設立趣旨である「學園人の自主的福利施設の發展」は今もこれからも求め続けて行くべき私達の使命だと認識しています。京都大学の学生・院生・教職員の組合員とともに民主的な運営を行い、京都大学になくてはならない組織であり続けて行くことが大切だと思います。
2023年11月
京都大学生活協同組合
理事長 米田稔